冷静になって今回のBye制度変更を見つめ直してみた。
するとこの変更点はライトユーザーをGPというトーナメントシーンのステップに移行させる良い機会になるのではないか、と思えて来た。
低めに設定したByeラインで、達成感やある種の射幸心を得やすいようになっている。
要は身内などで軽く楽しんでいるプレイヤーを、紙にド嵌りさせようという性質の物に変化したとも言える。
これは悪い事では無い。強いて言うならば、紙にド嵌りする奴が悪いのだ(良い意味で)。
しばしば忘れがちになるけれど、いくら優れたゲームバランスが保たれていても、MTGは第一に商売である。
どれだけパックを売るかという経営の縛りから未だ抜け出せていない。抜け出すつもりがあるかは知らないが。
この縛りから解き放たれないうちは、知的競技として広く認知されるには至らないと思っている。


話をBye制度に戻そう。
happymtg.com内のHareruya Pros Blogでも齋藤プロが書いていた(GPの不戦勝についてのPWPシステム変更の感想)けれど、この変更を数字で比較すると以下の通り。

旧制度の不戦勝1・・・期間400点×4シーズン=1600点
新制度の不戦勝1・・・1300点

旧制度の不戦勝2・・・期間750点×4シーズン=3000点
新制度の不戦勝2・・・2250点

この良い所探しをすると、
1、これからByeを目指す層にとってはハードルが低くなる
2、ゴールド以上のプロにとっては少ない回数の参加でキャップ制のプロポイント枠を埋める期待値が上昇

しかし同氏が指摘するように、PWPはレーティング制度の歴史と比べてまだとても浅い。

現在の旧制度ですら1年刻みで大枠が決まり、その間に幾度かのGPByeラインの変更が行われてきた。
この数年の流れでもイベント毎のPWP基本倍率が低めに変更されたり、Byeに必要なPWPは上昇の一途を辿っており、基本的に3Bye獲得への難易度はどんどん難しいものになって行った。

今回の変更で逆に悪い所探しをすると、
1、2014年の第3シーズン(6月~8月)に獲得するPWPの価値が大幅減少
2、2Bye獲得が容易になるため、GPTを始めとした店舗イベントの魅力が低下
3、週末毎に大会へ出るようなユーザーにとっては戦績に関わらずほぼ2Byeの固定化
4、GPで13-2の減少(追記)

今回のこの変更は、3Byeの獲得がアマチュアの努力で獲得出来る上限を完全に振り切ったため、個人的には来期のGP参加が消極的になってしまうだろう。
ボーナスのある丁度良い短期目標が無くなってしまった、というのが的確かもしれない。
去年から実施されたプロポイントのGPキャップ制で、GPのメインターゲットはプロでは無くPTQ常連のような層だと言うメッセージだと思っていたが、来年期からはそうでは無かった。

もうここまで来たらPWPとプロマジックは切り離して考える必要があるのかも知れない。
勝敗が全てのプロポイントの領域に、勝敗以外で増やせるPWPがマッチしないのは確かだ。
そろそろプロの領域とアマチュアの領域を明確に分けてやるべき時ではないか。
GPがプロマジックの入口であるなら、トーナメントプレイヤーにとって既にサーキット権を持っているプロは邪魔でしか無い。
逆にプロの戦いにアマチュアを混ぜると定義するなら、プロ側が得られるハンデがデカ過ぎる。
GPを小さなPTと見るか、大きなPTQとするか。
昨年から爆発的に増えたGPにとって、商業的にもこれは大きな意味を伴う決定であるだろう。

コメント

けの
2014年6月1日7:16

素直に楽しんだやつが気づいたら天辺に居るって事ですね!

nophoto
ななし
2014年6月1日11:13

アドバンスプラスだけが主催できるスーパーGPT(3バイ)

俗
2014年6月1日17:32

けのさん
わからんけど、天辺って遥か先だなぁとは思う。

ななしさん
ナイス案。
しかしそれだとアドバンスプラス以外の店のGPTは無価値っていう。
俗

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