今までのマジック活動の中で何度かGPTやPPTQなどの競技イベントに出場した事があれば、おそらく1回くらいは警告を受けた事があるでしょう。
受けた事が無い方も、競技イベントに出ていればいつかは警告を受けるだろうと思います。
人間ですからうっかりは付き物です。
この記事は自身が「カジュアルプレイ・競技プレイ・ジャッジ活動」に参加してみて、各々の立場で警告に対する印象が随分違っているなと感じたので、警告について本当はどんなものかを知ってもらうため書きました。


・警告って何ですか?
簡単に言うと、何か問題があればそれを知らせるために出され、累積するとゲームロスになるものです。
言い換えると、累積しなければトーナメント上であなたにとって何か不利になる事はありません。

・じゃあ累積する事でゲームロスになるなら、警告はゲームロスの1/2や1/3だけってこと?
いいえ、警告の本質とは同じ誤りを繰り返さないようなきっかけ作りに過ぎないのです。
日本人は警告を過剰に受け止めてしまう傾向があります。
警告を告げられると、まるで自身の人格までもが否定された気分になる人もいます。
しかしそれは、警告という物がよく分からず感じる不安な気持ちだったり、ネガティブなイメージが先走った印象に過ぎません。
警告とはあなたや対戦相手を罰する目的で出されるものではなく、正常なゲームに戻す機会であり、お互いにフェアな事を再確認する目的で出されるものです。
精神的に落ち込むような事は起こってもいないし、告げられてもいません。
だからそれほど気にせず、ただ次から気を付けるだけでいいのです。

・でも累積させないためにジャッジを呼ばない方が得じゃん?
いいえ、マジックは紳士のゲームです。
違反を申告せず隠すと言う事は、紳士ではありません。
ルールがあるからゲームになる。
ゲームを行う場所にルールを守らない者が紛れるなら、ジャッジやイベントスタッフは全体の為に取り除こうとするでしょう。
何が一番得なのかと言えば、正直に違反を申告・指摘し、気持ちよくイベントに参加してマジックを続ける事だと思います。

・違反だ!警告だ!
落ち着いてください。
何か違反を見つけたらジャッジを呼びましょう。
そしてその時の状況を伝えましょう。
ジャッジはどちらか一方の話だけで裁定を決定したりしません。
必ずあなたの説明も、対戦相手の説明も聞き、同意や確認を求めます。
それら確認に対し、ただ誠実に答えるだけで良いのです。
プレイヤーはジャッジを呼び、状況を説明する。
ジャッジはそれらを整理し、裁定を決めます。
役割には行うべき領分が決まっています。
だからジャッジに対して対戦相手への懲罰を求める事は紳士ではありませんし、自身のためにも避けるべきです。
それでも不満に思うなら裁定の全てを伝えられてから、ヘッドジャッジへ上告しましょう。

・そうは言っても…
ジャッジも人の子です。
特に競技イベントに不慣れだったり、込み入って複雑になった状況に介入する時はいつも以上に緊張します。
「絶対に間違った裁定を出しちゃダメなんだ!」などと思えば心拍数も上がります。
その結果、柔らかい表情が失われたり、冷たいと感じる言い方をされるかも知れません。
でもそれはあなたを嫌いだったり憎かったりしてそうしたわけではなく、裁定職務に集中し過ぎたため起きてしまった事です。
私達ジャッジは誰もが「今日のイベントは参加者が楽しんでくれたか」について気になっています。
なので「こうした方が嬉しい」とか「ああだったら良かったな」と伝えてくれたら、とても喜ぶはずです。
出来るものについては改善していくと思いますので、次回以降のイベントでその成果を確かめる為にまた会いに来て下さい。
そこでより高い満足でお返し出来たなら、お互いに良い関係が続いて行くでしょう。


いかがでしたでしょうか。
やはり「こんな些細な事で警告を出すなんて…」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
警告は些細な事です。些細なので単体では重大な問題ではありません。
しかし些細な事だから無かった事にする…というのはとても重大な問題です。
警告の本質は誤りに気付く機会であり、競技レベルでは普段以上に公正さが求められる場なので、その証明機会でもあります。
特別ではなく、ありふれていて、誰にでも起こり得ることなのです。
警告を受けた事に落ち込まず、恐れず、楽しく競技イベントに参加してくれる事を願っています。


※2月21日 一部加筆修正。

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